【好き】を言いたい2
彼の名前を出したら、
いよいよ涙が溢れてきた。
涙で視界が歪んで、
「きゃっ‥!!」
階段から足を踏み外してしまった。
(‥落ちる‥‥!!)
「礼華‥!」
その瞬間に聞こえてきたのは、
「和志‥!?」
大好きな人の声。
けど、
「っ!」
和志の伸ばした腕はあと少し届かず、
目の前が真っ暗になる直前に見たのは、
焦った和志の顔。
(痛い‥!)
そして、私は階段の角で頭を強く打ってしまった。