七夕の夜、二人で見上げた星空
お昼休み、自分の席に座り、私は一人で食事をしている。
その時、制服を着くずした派手な女の子が声をかけてきた。
私の目の前の席に座り、ニヤニヤと笑いながら巻き舌で話してくる。
「アンタさ、この辺りに住んでないんだって?」
私は、この子より年上の先輩なんだけど、そんなことは口がすべっても言えない。
攻撃の標的になるより、同級生を演じてたほうが都合はいいはず。
でも、気が弱い私は迫力のある話し方に動揺して言葉がうまく出てこない。
「あっ、あのっ!通学時間が長い所なんだす……」
「きゃははっ、マジうける! なんだす、ってなによ!」
緊張で、うまく言葉がでてこなかっただけなのに、思いっきり笑われた。
おなかを押さえながら大声で笑った後、他の子たちを呼び寄せてる。
気が付いたら、カーストの子たちに周りを囲まれていた。
「あの、私がなにかしました……」
恐怖で、思わず敬語になってしまう。
この子たちより年上の私だけど、異様な雰囲気に顔をひきつらせてしまった。
見た目が地味で、おとなしい私は目につけられやすい。
「おもしろい子、みぃ~つけた!」
ささいな言動でターゲットにされてしまう。
気をつけて行動しようと注意はしてたけど、始まってしまった。
私を守ってくれるような仲良しの子は教室にいないし、どうしよう……
――その時
「みなさん大勢で、なにをしてるのかしら!」