笑顔の花が咲くまでは#10~真実と怒りと想いと~
「……エヴァンくん……」

特殊捜査員のサルビア・ホープたちが大学生のエヴァン・カランコエのいる病室に入ると、エヴァンは体を起こしてぼんやりと窓の外を眺めていた。

精神科医のレイモンド・アルストロメリアが声をかけると、エヴァンはゆっくりとサルビアたちの方を向く。

「……フィオナは?」

エヴァンはフィオナがいないことに気づき、首を傾げる。それを見た美容師のレティシア・エーデルワイスは、全てを話すと暗号が書かれた紙をエヴァンに渡した。

「……急がなきゃ」

暗号を解読したエヴァンは、ベットから飛び降りると走り出す。

「エヴァンくん!」

レティシアは、エヴァンを止めた。エヴァンは、慌てた様子でレティシアの方を振り向く。

「このままじゃ、フィオナが壊れてしまう!フィオナは、家族が大好きだった。そんな家族と大切なシオンさんを殺された犯人のもとに、フィオナはいるんだ!僕が、助けないと……!!」

エヴァンは、そう叫ぶと病室を飛び出した。サルビアたちは顔を見合わせると、頷いてエヴァンの後を追いかけた。



「あはははは!いいね!!」

フィオナとマーティーの手下と戦う様子を見て、マーティーは狂ったように笑う。

フィオナは銃を撃ち、骨を折り、手下を動けなくしていく。
< 2 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop