夜を照らす月影のように#1
「そうなんだ」

僕はそれだけ答えると、本を拾って本を本棚に片付ける。

リオンの話なんて、正直どうでもよかった。

僕も本の世界に閉じ込められる?閉じ込めたいなら、僕を閉じ込めたらいい。僕なんて、1人で本の世界を彷徨って死ぬのがお似合いだ。

物の怪……だっけ?に襲われているリオンを見た時も、強く助けなきゃって思わなかったんだから。僕って、最低な人間でしょ?

「……そうだ。ノワール!」

リオンの言葉に、僕はリオンの方を向いた。

「助けに来てくれて、ありがとう」

そう言って、リオンは嬉しそうに笑った。
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