私の婚約者には好きな人がいる
お父様は肩を落とし、ちらりと惟月さんを見て言った。
「わかった。だが、静代をこちらに通わせる」
「静代さんを?」
「それがこちらの条件だ」
「いいですよ」
惟月さんが了承するとお父様は安心したように頷いた。
「なにかあれば、静代から聞くことができる」
「そんなことにはなりませんよ」
お父様は言った。
「咲妃を頼む」
「はい」
惟月さんはまっすぐにお父様を見つめて、頷いた。
私の手を握って――――
「わかった。だが、静代をこちらに通わせる」
「静代さんを?」
「それがこちらの条件だ」
「いいですよ」
惟月さんが了承するとお父様は安心したように頷いた。
「なにかあれば、静代から聞くことができる」
「そんなことにはなりませんよ」
お父様は言った。
「咲妃を頼む」
「はい」
惟月さんはまっすぐにお父様を見つめて、頷いた。
私の手を握って――――