私の婚約者には好きな人がいる
「お兄様はそうかもしれないけれど……」
否定できなかった。
「静代さん、お兄様には絶対に言わないで」
呆れた顔で静代さんは私にため息を吐き、無言で立ち上がった。
静代さんは冷たい態度で、キッチンに消えて行った。
お茶の用意をしてくれているらしく、カップの音とお湯を沸かす音が聞こえた。
惟月さんは後始末をすると言ったけれど、どうするつもりなんだろう。
冷静な時の惟月さんなら、ともかく―――
「お茶が入りましたよ」
「ありがとう」
熱いお茶を飲むと、ホッとして少し眠くなってきたような気がした。
「お嬢様、少しお休みになられたらどうですか。お疲れになったんでしょう」
「ええ……そうね」
眠気が襲い、まぶたが閉じかけた。
違和感があった。
こんな急に眠くなる?
おかしいと、思って静代さんを見ていると、目の前がぼやけて、誰かが入ってくる足音がした。
「咲妃は?」
「眠っておいでです」
否定できなかった。
「静代さん、お兄様には絶対に言わないで」
呆れた顔で静代さんは私にため息を吐き、無言で立ち上がった。
静代さんは冷たい態度で、キッチンに消えて行った。
お茶の用意をしてくれているらしく、カップの音とお湯を沸かす音が聞こえた。
惟月さんは後始末をすると言ったけれど、どうするつもりなんだろう。
冷静な時の惟月さんなら、ともかく―――
「お茶が入りましたよ」
「ありがとう」
熱いお茶を飲むと、ホッとして少し眠くなってきたような気がした。
「お嬢様、少しお休みになられたらどうですか。お疲れになったんでしょう」
「ええ……そうね」
眠気が襲い、まぶたが閉じかけた。
違和感があった。
こんな急に眠くなる?
おかしいと、思って静代さんを見ていると、目の前がぼやけて、誰かが入ってくる足音がした。
「咲妃は?」
「眠っておいでです」