私の婚約者には好きな人がいる
明日の朝に残り物を出すわけにはいかないから。
いらないなら、いらないって言ってくれたらいいのに。
食材がもったいない。
恭士さんがちょうど食事を終えた頃、奥様が帰宅された。
「あら、恭士さん。お帰りが早いのね」
奥様はふうん、と言いながら恭士さんを見た。
「仕事が早く終わったもので」
「そう。私は食事を済ませてきたから結構よ」
「はい」
恭士さんが言ったとおりだった。
奥様からは待たせたことへの謝罪はなく、私に目を合わせることもせず、知らん顔をしてダイニングから出ていってしまった。
その態度から、奥さまにとって、私はまるで空気のような存在なんだと思った。
そう思うと、まだ恭士さんの方が話をするだけ、まだマシなような気がした。
たとえ、口が悪くて威圧感が半端なくてもね……。
ダイニングのテーブルを片付けて、布巾を消毒し、干すとやっと一日の仕事が終わる。
いらないなら、いらないって言ってくれたらいいのに。
食材がもったいない。
恭士さんがちょうど食事を終えた頃、奥様が帰宅された。
「あら、恭士さん。お帰りが早いのね」
奥様はふうん、と言いながら恭士さんを見た。
「仕事が早く終わったもので」
「そう。私は食事を済ませてきたから結構よ」
「はい」
恭士さんが言ったとおりだった。
奥様からは待たせたことへの謝罪はなく、私に目を合わせることもせず、知らん顔をしてダイニングから出ていってしまった。
その態度から、奥さまにとって、私はまるで空気のような存在なんだと思った。
そう思うと、まだ恭士さんの方が話をするだけ、まだマシなような気がした。
たとえ、口が悪くて威圧感が半端なくてもね……。
ダイニングのテーブルを片付けて、布巾を消毒し、干すとやっと一日の仕事が終わる。