私の婚約者には好きな人がいる
食事を終えて、お弁当箱を片付けると、化粧室に向かった。
近くの化粧室に入ろうとすると声が聞こえてきて、なんとなく足を止めた。
「高辻のお嬢様見た?」
「見たわよ。シャネルの白のジャケット。あれいくらなのかしら」
「バッグもシャネルだったわよ」
「えー!すごすぎるー」
「朝も重役よりすごい車で通勤でしょ?高辻と清永の格の違いを見せつけにでもきたのかしら」
「お出迎えもすごかったわね。いつもは偉そうにしている重役達がペコペコしちゃって」
私の話題のようで化粧室には入れそうになかった。
仕方ないと思って、離れようとした時―――
「お嬢様は知らないのかしら」
「清永専務には恋人がいるって」
「専務も可哀想よね。好きな相手と結婚できないなんて」
えっ―――どういうこと?
「しかも、同じ海外事業部でしょ?」
「中井さん、どんな顔をして、仕事をしているのかしら」
近くの化粧室に入ろうとすると声が聞こえてきて、なんとなく足を止めた。
「高辻のお嬢様見た?」
「見たわよ。シャネルの白のジャケット。あれいくらなのかしら」
「バッグもシャネルだったわよ」
「えー!すごすぎるー」
「朝も重役よりすごい車で通勤でしょ?高辻と清永の格の違いを見せつけにでもきたのかしら」
「お出迎えもすごかったわね。いつもは偉そうにしている重役達がペコペコしちゃって」
私の話題のようで化粧室には入れそうになかった。
仕方ないと思って、離れようとした時―――
「お嬢様は知らないのかしら」
「清永専務には恋人がいるって」
「専務も可哀想よね。好きな相手と結婚できないなんて」
えっ―――どういうこと?
「しかも、同じ海外事業部でしょ?」
「中井さん、どんな顔をして、仕事をしているのかしら」