私の婚約者には好きな人がいる
怖い顔をしているわりに意外と寂しがり屋で可愛いとこあるんだから。
「こんなたくさん買って頂いてありがとうこざいました」
「たいした金額でもなかっただろ?」
金銭感覚が違いすぎる。
がっくりと肩を落とした。
「い、いいえ。かなりの贅沢でした」
「そうか。まあ、俺も楽しかったから気にするな」
恭士さんにしたら、こんなことはちょっとしたお遊びで、暇潰し程度だったに違いない。
ご機嫌な様子で屋敷の中に入って行った。
私に買い与えるのが、楽しいとか。
大量の紙袋を手に高辻の家をぼんやりと眺めて思った。
お金持ちの考えることは本当によくわからない―――と心の底から思ったのだった。
「こんなたくさん買って頂いてありがとうこざいました」
「たいした金額でもなかっただろ?」
金銭感覚が違いすぎる。
がっくりと肩を落とした。
「い、いいえ。かなりの贅沢でした」
「そうか。まあ、俺も楽しかったから気にするな」
恭士さんにしたら、こんなことはちょっとしたお遊びで、暇潰し程度だったに違いない。
ご機嫌な様子で屋敷の中に入って行った。
私に買い与えるのが、楽しいとか。
大量の紙袋を手に高辻の家をぼんやりと眺めて思った。
お金持ちの考えることは本当によくわからない―――と心の底から思ったのだった。