私の婚約者には好きな人がいる
お茶会
奥様主催のお茶会は家のサンルームでやりたいとご要望があったので、観葉植物を並べ直し、サンルームの白い窓枠に合うようにソファーカバーとクッションも白にした。
テーブルの上の花も白で、外から太陽の光が降り注ぐと明るく、電気を使わなくても自然光だけで十分だった。
「まあ。夏乃子さん。素敵ね」
「ありがとうこざいます」
「恭士さんがごめんなさいね。最近、お仕事の邪魔ばかりして。これからは大丈夫だから」
「いいえ」
平静を装い、返事をした。
奥様は私と恭士さんの仲を疑っていたの?
なにもないのに?
それで、急に恭士さんの結婚相手を決めるような会を開いたのかな。
そう思うと恭士さんに申し訳ない気持ちになった。
でも、恭士さんも悪い。
一緒にでかけたり、私をからかったりするから、奥様が勘違いして、焦ったんだと思う。