私の婚約者には好きな人がいる
「大丈夫です。皆さん親切でしたから」
お兄様は勘が良くて、下手なことを言えば何をするかわからない。
昔、私が待ち伏せや隠し撮りをされた時はその男性を警察に付き出した。
あげく、学校に突然訪問し、セキュリティの甘さを指摘して校門前に監視カメラと警備員が増やされた。
通わせていた保護者からは感謝されたみたいだったけれど。
「本当になにもなかったのか?」
「ええ」
「なら、いい。なにかあれば、すぐに言いなさい」
「恭士お兄様。着替えてきますね」
慌てて、その場から逃げ出した。
あまり、話すとボロが出てしまう。
本当は今日のことを全部話してしまいたかった。
でも、そうなれば、きっと両親とお兄様は激怒して私を二度と会社勤めには出してくれない。
それだけじゃない――――おじ様や惟月さんに迷惑がかかる。
お兄様は勘が良くて、下手なことを言えば何をするかわからない。
昔、私が待ち伏せや隠し撮りをされた時はその男性を警察に付き出した。
あげく、学校に突然訪問し、セキュリティの甘さを指摘して校門前に監視カメラと警備員が増やされた。
通わせていた保護者からは感謝されたみたいだったけれど。
「本当になにもなかったのか?」
「ええ」
「なら、いい。なにかあれば、すぐに言いなさい」
「恭士お兄様。着替えてきますね」
慌てて、その場から逃げ出した。
あまり、話すとボロが出てしまう。
本当は今日のことを全部話してしまいたかった。
でも、そうなれば、きっと両親とお兄様は激怒して私を二度と会社勤めには出してくれない。
それだけじゃない――――おじ様や惟月さんに迷惑がかかる。