私の婚約者には好きな人がいる
「じゃあ、ハロッズのトートバックにします。ちょうど買い物用のかばんが欲しいなって思っていたんですよ」

恭士さんはため息をついた。

「わかった。ハロッズな」

「やったー。以前に働いていたお宅でみかけて、可愛いなあって思っていたんですよね」

「まあ、いいか」

恭士さんは笑いながら、私を見ていた。

「デザート持ってきますね」

「ああ」

ガラスの器にフルーツをたくさん入れて、ゼリーを作った。
奥様もおいしいと言っていたから、間違いない。
恭士さんもゼリーは好きだったらしく、綺麗に食べてあった。
後片付けを済ませ、部屋に戻り、お風呂に入った。
最近は奥様がくれた薔薇の入浴剤を使っている。
たくさん買いすぎて、飽きたと言って皆にくれた。
高いんだろうなあ。
保湿されてるってかんじだもんね。
甘い香りが心地いい。

「あー、眠りそうだった」
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