私の婚約者には好きな人がいる
「私は気にします。勤め先のお客様と関係をもったと言われるんです。だから、きちんとお二人の了承がない限りは無理です」

「それが条件か」

「そうです」

「わかった。出張から帰ったら、了承をもらう。それでいいな?」

「はい」

私の返事に恭士さんは不敵な笑みを浮かべた。
なんで、笑えるんだろう
そんなこと、絶対に無理に決まってる。
だけど、中途半端な関係ではもういられない
だって―――私も恭士さんのことが好きになっていた。
どうしようもないくらいに。

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