私の婚約者には好きな人がいる
仕事探し
「はあ。泣いてる場合じゃないわ」
昼過ぎまでがっつり眠った。
仕事がないから、これだけ寝れるんだから、ものは考えようよ!
それにうちのお母さんが言ってたもんね。
泣いて貧乏がどうにかなるもんじゃないって。
とりあえず、求人雑誌を買ってみた。
パジャマのまま、ごろごろとベッドの上に転がりながら、気になるところに付箋を貼っていく。
「うーん。家政婦のスキルを生かすなら、掃除とか料理かなあ」
収入は減っちゃうから、どれも厳しい。
「まさかのホステスとか?」
私に才能あるかな。
童顔だけど、けっこういける?
鏡を見てみた。
いけるかなあ?
「一応、候補にいれとこ」
バタバタと慌ただしい足音が廊下から聞こえ、私の部屋の鍵が勝手に開けられた。
「ど、どうぞ!高辻様!」