私の婚約者には好きな人がいる
フロントにいた人が勝手に私の部屋を開け、案内してきたのは魔王……じゃない、イギリスにいるはずの恭士さんだった。
「えっ!?」
「なにをしている」
あんなに会いたいと思っていた人だったのに顔を見ると、物凄く怒っていることが伝わってきて、思わず、枕で自分の身を守るようにガードした。
「求人を見てました……」
「ほう」
冷ややかに私を見下ろしていた。
「イギリスに一週間出張じゃなかったんですか?なんで、ここがわかったんですか?」
「お前が勝手にいなくなった日に母さんから電話がきて帰ってきた。高辻の名前で近隣のホテルに連絡し、宿泊名簿を調べさせた」
淡々とした口調で業務的に答えてきた。
それが余計に怖い。
怒りの度合いがわかる。
「どうして、怒っているんですか?私は悪くないですよ!いない間にどんな酷い目にあったか……」
「連絡先を渡しただろう?」
「近づかないって約束しましたから」
「えっ!?」
「なにをしている」
あんなに会いたいと思っていた人だったのに顔を見ると、物凄く怒っていることが伝わってきて、思わず、枕で自分の身を守るようにガードした。
「求人を見てました……」
「ほう」
冷ややかに私を見下ろしていた。
「イギリスに一週間出張じゃなかったんですか?なんで、ここがわかったんですか?」
「お前が勝手にいなくなった日に母さんから電話がきて帰ってきた。高辻の名前で近隣のホテルに連絡し、宿泊名簿を調べさせた」
淡々とした口調で業務的に答えてきた。
それが余計に怖い。
怒りの度合いがわかる。
「どうして、怒っているんですか?私は悪くないですよ!いない間にどんな酷い目にあったか……」
「連絡先を渡しただろう?」
「近づかないって約束しましたから」