私の婚約者には好きな人がいる
ビジネスホテルの駐車場に行くと、車に乗せた。
靴をはいてないので、逃げるに逃げられなかった。

「どこに行くんですか?」

「俺のマンションだ。父さんの知らない物件だからな。安心しろ」

知っている物件もあると言うことは恭士さんが持っているのはそこだけじゃないということだ。
どれだけお金持ちなの……?

「俺から逃げれると思うなよ」

「……完全に悪人のセリフですよ」

また余計なことを言ってしまったのか、恭士さんは睨んできた。
さすがにしばらく、黙っていようと心に決めた。
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