私の婚約者には好きな人がいる
専務室にノックもなく、中井さんが入ってきた。
惟月さんの顔が強張った。
「ごめんなさい。二人が楽しくおしゃべりをしているのを邪魔してしまって」
「あ、いえ。私はこれで失礼します」
ドアを閉める時、惟月さんの低い声がした。
「名前で呼ぶな」
「いいじゃない」
笑う声が背中から追ってきていたのを聞きたくなくて、大急ぎでドアを閉めて、完全に遮断した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「高辻さんのお弁当、いつも美味しそうね」
最近では海外事業部のお弁当組が一緒にお弁当を食べるようになっていた。
話しかけにくいと思われていたけれど、閑井さんとまったりお茶を飲んでいる所を見ているうちに親しみやすいと思われたようだった。
徐々に閑井さんだけでなく、他の方達とも一緒にお茶を飲んだり、お菓子を頂いたりするようになり、それをきっかけに話すようになって、今では気軽に話しかけてきてくれていた。
惟月さんの顔が強張った。
「ごめんなさい。二人が楽しくおしゃべりをしているのを邪魔してしまって」
「あ、いえ。私はこれで失礼します」
ドアを閉める時、惟月さんの低い声がした。
「名前で呼ぶな」
「いいじゃない」
笑う声が背中から追ってきていたのを聞きたくなくて、大急ぎでドアを閉めて、完全に遮断した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「高辻さんのお弁当、いつも美味しそうね」
最近では海外事業部のお弁当組が一緒にお弁当を食べるようになっていた。
話しかけにくいと思われていたけれど、閑井さんとまったりお茶を飲んでいる所を見ているうちに親しみやすいと思われたようだった。
徐々に閑井さんだけでなく、他の方達とも一緒にお茶を飲んだり、お菓子を頂いたりするようになり、それをきっかけに話すようになって、今では気軽に話しかけてきてくれていた。