私の婚約者には好きな人がいる
聞きたくて仕方なかったけれど、恭士お兄様の怖い顔と両親の笑顔を前にその言葉を口にすることはできなかった。
楽しい夕食を終えて、両親はご機嫌だった。
私に惟月さんを車のところまで送るよう言われ、一緒に車まできたけれど、迷惑だったかもしれない。
まるで仲のいい婚約者のようだったから……
惟月さんは何も言わずにいたけど、本心はどうなのだろう。
「あの、今日はありがとうございました」
「いや、こちらこそ夕食までごちそうになってしまった」
嫌な顔はしてない……わよね?
ちらりと顔をみたけど、不快ではないようだった。
「それじゃあ、また明日。会社で」
惟月さんはそう言って、車のドアを閉めた。
そして、私に軽く会釈し、車を出すと去っていった。
「どうして…?」
車が見えなくなってもぼんやりとしていると、いつまでたっても家の中に戻らない私を心配してか、恭士お兄様が迎えに来た。
「風邪をひくから、家に入りなさい」
「ええ」
「あんな男のどこがいいのか」
「そんなふうにおっしゃらないで。今日だって、私が困っていたら早く帰れるように仕事を手伝ってくださったのよ」
恭士お兄様が電話をしたせいだけど。
楽しい夕食を終えて、両親はご機嫌だった。
私に惟月さんを車のところまで送るよう言われ、一緒に車まできたけれど、迷惑だったかもしれない。
まるで仲のいい婚約者のようだったから……
惟月さんは何も言わずにいたけど、本心はどうなのだろう。
「あの、今日はありがとうございました」
「いや、こちらこそ夕食までごちそうになってしまった」
嫌な顔はしてない……わよね?
ちらりと顔をみたけど、不快ではないようだった。
「それじゃあ、また明日。会社で」
惟月さんはそう言って、車のドアを閉めた。
そして、私に軽く会釈し、車を出すと去っていった。
「どうして…?」
車が見えなくなってもぼんやりとしていると、いつまでたっても家の中に戻らない私を心配してか、恭士お兄様が迎えに来た。
「風邪をひくから、家に入りなさい」
「ええ」
「あんな男のどこがいいのか」
「そんなふうにおっしゃらないで。今日だって、私が困っていたら早く帰れるように仕事を手伝ってくださったのよ」
恭士お兄様が電話をしたせいだけど。