私の婚約者には好きな人がいる
お弁当
「咲妃。朝早くから何をしているんだ」
キッチンでお弁当箱に入れるためのおかずを並べていると、起きてきた恭士お兄様が顔を覗かせた。
「おはようございます。恭士お兄様。お弁当を作っているんです」
「まさか、惟月の弁当か」
「ええ。私と惟月さん分です」
「何度も言いたくはないが、あいつとの婚約はやめたらどうだ」
もしかすると、恭士お兄様は惟月さんが中井さんと付き合っていたことを知っているのかもしれない。
私を傷つけたくなくて、それをはっきり言わないだけで。
静代さんが朝食のテーブルセットを済ませて、ダイニングから戻ってくると、恭士お兄様に言った。
「恭士坊ちゃま。咲妃お嬢様のお邪魔になりますよ。ほら、キッチンから出て下さい」
「あいつにそこまでしなくてもいいだろう?」
「お嬢様が作って差し上げたいとおっしゃられるんですから、よろしいでしょう」
キッチンでお弁当箱に入れるためのおかずを並べていると、起きてきた恭士お兄様が顔を覗かせた。
「おはようございます。恭士お兄様。お弁当を作っているんです」
「まさか、惟月の弁当か」
「ええ。私と惟月さん分です」
「何度も言いたくはないが、あいつとの婚約はやめたらどうだ」
もしかすると、恭士お兄様は惟月さんが中井さんと付き合っていたことを知っているのかもしれない。
私を傷つけたくなくて、それをはっきり言わないだけで。
静代さんが朝食のテーブルセットを済ませて、ダイニングから戻ってくると、恭士お兄様に言った。
「恭士坊ちゃま。咲妃お嬢様のお邪魔になりますよ。ほら、キッチンから出て下さい」
「あいつにそこまでしなくてもいいだろう?」
「お嬢様が作って差し上げたいとおっしゃられるんですから、よろしいでしょう」