私の婚約者には好きな人がいる
「ねえ、静代さん。少しいい?」
静代さんはキッチンで他の家政婦さん達に指示をしていた。
さすが一番、長く勤めているだけあって貫禄がある。
夕食の煮物だろうか。
かつおや昆布のいい香りが入口までしていた。
「あらまあ、どうなさいました?咲妃お嬢様」
「ちょっと相談があって……。その、会社勤めには何を着ていけばいいのかしら」
「咲妃お嬢様、私の見立てでよろしいんですか」
「ええ」
静代さんはサッとキッチンから出ると足早に私の部屋までやってきた。
クローゼットを眺め、並ぶスーツを眺めるとその中から迷わず一着だけ選んでくれた。
「この白のスーツはよくお似合いでしたよ。高辻の会社の記念パーティーに着ていかれたでしょう」
「そうね、これにするわ」
静代さんに褒められて、嬉しかったのと高辻の会社に行った時に着ていたものだったから、間違いないと思った。
「ありがとう。静代さん」
なんて頼りになるの。
これで一安心!
静代さんの存在が心強く感じた。
明日が初日。
―――惟月さんに会える。
ただそれだけなのに嬉しくてしかたなかった。
静代さんはキッチンで他の家政婦さん達に指示をしていた。
さすが一番、長く勤めているだけあって貫禄がある。
夕食の煮物だろうか。
かつおや昆布のいい香りが入口までしていた。
「あらまあ、どうなさいました?咲妃お嬢様」
「ちょっと相談があって……。その、会社勤めには何を着ていけばいいのかしら」
「咲妃お嬢様、私の見立てでよろしいんですか」
「ええ」
静代さんはサッとキッチンから出ると足早に私の部屋までやってきた。
クローゼットを眺め、並ぶスーツを眺めるとその中から迷わず一着だけ選んでくれた。
「この白のスーツはよくお似合いでしたよ。高辻の会社の記念パーティーに着ていかれたでしょう」
「そうね、これにするわ」
静代さんに褒められて、嬉しかったのと高辻の会社に行った時に着ていたものだったから、間違いないと思った。
「ありがとう。静代さん」
なんて頼りになるの。
これで一安心!
静代さんの存在が心強く感じた。
明日が初日。
―――惟月さんに会える。
ただそれだけなのに嬉しくてしかたなかった。