私の婚約者には好きな人がいる
私は取次役のようで難しいことではなかったけれど、惟月さんや間水さんは大変そうで、いくつかはやっぱり契約を取り戻せないようだった。

「残念ですね……」

「しかたない」

惟月さんは悔しそうに言った。

「私、夜食を買いに行ってきますね」

「待て!一緒に行く」

「でも、忙しいでしょう」

「コンビニに行ったことないだろう?」

「はい……」

どうしてわかったのだろうと思いながら、恥ずかしい気持ちで目を伏せると間水さんが驚いていた。

「本当にお嬢様なんだな……」

「そうだ」

惟月さんは笑って、私の手をとった。

「行こう」

「はい」

初めてのコンビニは驚くことがいっぱいだった。

「ここにカップを置くとコーヒーが出てくるんですか?」

「ああ。ボタンを押さないとだめだぞ」

「まあ……!温めただけで食べれるなんて便利ですね」

何もかもが新鮮だった。

「いろいろな種類の肉まんがあるんですね。買ってもいいですか?」

「もちろん」
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