私の婚約者には好きな人がいる
「戻ってくるのが、遅いから見にきたら。閑井。婚約者を物陰に連れ込むのはやめてもらいたいね」
「閑井さんは親切で言ってくださったのに、そんな言い方しなくても」
閑井さんをかばうと惟月さんはムッとした顔をした。
「親切って?」
「中井さんが海外事業部に戻られたんです」
「なんだって?」
惟月さんは初めて聞いたらしく、驚き、目を見開いた。
「まさか。間水が?」
「たぶんそうじゃないかと。人事部からは子会社に出向になったと僕達は聞いていたんです」
「俺も人事部から、そう報告を受けている」
「高辻さんにあからさまな敵意を向けていて……。専務から帰ったことを聞いてないか、と言っていたので連れ出しました……」
惟月さんは表情を曇らせた。
「そうか。悪かったな」
「いえ。それじゃあ……」
閑井さんは会釈し、戻って行った。
「とりあえず、俺達も戻ろう」
時計を見ると、もうすぐ昼休みだった。
「閑井さんは親切で言ってくださったのに、そんな言い方しなくても」
閑井さんをかばうと惟月さんはムッとした顔をした。
「親切って?」
「中井さんが海外事業部に戻られたんです」
「なんだって?」
惟月さんは初めて聞いたらしく、驚き、目を見開いた。
「まさか。間水が?」
「たぶんそうじゃないかと。人事部からは子会社に出向になったと僕達は聞いていたんです」
「俺も人事部から、そう報告を受けている」
「高辻さんにあからさまな敵意を向けていて……。専務から帰ったことを聞いてないか、と言っていたので連れ出しました……」
惟月さんは表情を曇らせた。
「そうか。悪かったな」
「いえ。それじゃあ……」
閑井さんは会釈し、戻って行った。
「とりあえず、俺達も戻ろう」
時計を見ると、もうすぐ昼休みだった。