お嬢様は恋したい!
第4章
こーたくんの気配がなくなると鈴木主任が私を引き剥がし、頭をグリグリして来る。

「痛っ。痛いですよ。」

「あのままなら、このくらいじゃ済まなかったんだぞ。」

「あの…なんで主任が…」

「今日は僕とプライベートで飲んでたんだ。」

「あぁ、デートだったんですね。」

専務にそう返すとまた主任にグリグリされる。

地味に痛いんだけど。

「俺が見つけたから良かったものの…」

「そう言えば、さっきは私って言ってたのに俺になってる。」

そのままお説教が始まりそうだったので、話を逸らす。

「一応、会社の人間とは言え、よく知らない相手だからな。仕事モードで相手しただけだ。」

私はプライベートモードに入れてくれる?

一瞬、喜んだがよく考えてみれば、すでに妹もしくは娘ポジだった。

「んで、高橋さんはお持ち帰りされなくて、良かったんだよね?」

私たちのやり取りが一旦止まったところで専務に聞かれた。

「当たり前だろ。」

「一誠には聞いてない。どう?」

「はい…ありがとうございました。二次会行かないって帰ろうとしたら、捕まっちゃって…」

「だからっ、お前は危機管理能力が低いんだ。」

あーあ、またお説教モードに戻っちゃったよ。

鈴木主任って、私のお父様もしくはお母様みたい。

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