お嬢様は恋したい!
第1章
「あの、お父様。もう一度言ってくださいますか。」
「香子の婚約が決まったと言ったんだ。お相手の笠松かずまくんは、いま海外赴任中だそうだから、式は帰国後になる。」
「婚約?お見合いとかじゃなく?」
朝食の途中だと言うのに、このタイミングでお父様の爆弾発言に食欲も吹っ飛んだ。
「お祖父様とあちらのお祖父様が友人で、ふたりの約束だそうだ。私の代は両方男だったから香子の代で叶えられると喜んでいたよ。」
「あの…私、会った事もない方とってのは、納得いきません。」
「香子、大学卒業したらお見合いする予定だったんだから、何も変わらないだろう。」
お父様は分かってない。
お見合いして、何度かデートを重ねて決めるわけでも、婚約者として時間を過ごすわけでもなく、結婚式に初めて会うなんて…
淡い初恋以来、全く恋とは無縁で来てしまった私だから。
《《だからこそ》》ちゃんと恋して結婚したいのに。
「香子の婚約が決まったと言ったんだ。お相手の笠松かずまくんは、いま海外赴任中だそうだから、式は帰国後になる。」
「婚約?お見合いとかじゃなく?」
朝食の途中だと言うのに、このタイミングでお父様の爆弾発言に食欲も吹っ飛んだ。
「お祖父様とあちらのお祖父様が友人で、ふたりの約束だそうだ。私の代は両方男だったから香子の代で叶えられると喜んでいたよ。」
「あの…私、会った事もない方とってのは、納得いきません。」
「香子、大学卒業したらお見合いする予定だったんだから、何も変わらないだろう。」
お父様は分かってない。
お見合いして、何度かデートを重ねて決めるわけでも、婚約者として時間を過ごすわけでもなく、結婚式に初めて会うなんて…
淡い初恋以来、全く恋とは無縁で来てしまった私だから。
《《だからこそ》》ちゃんと恋して結婚したいのに。