お嬢様は恋したい!
ウミガメ飼育スペースに行こうと建物の外に出ると9月も後半になり昼間は暑くても夕方になると肌寒くなってくるせいか、潮風が思ったより強くひんやりとしている。
それでもウミガメを見たくて、手すりにお腹を当てて寄りかかり覗き込んだ。
白のカットソーにレモンイエローのカーディガンに膝丈の紺のスカートという通勤着とあまり変わらない服装のため、吹いた風に身をすくめる私の背中が急に暖かくなり、鈴木主任に後ろから抱きすくめられていることに気付いた。
「しゅ、主任?」
「寒いだろ。」
いつもより甘い声にドキドキする。
「あ、あの…」
「ん?」
「せ、背中に…」
「暖かくないか?」
暖かいを通り越して、絶対顔も赤いだろうし、火照って熱い。
「あつ、熱いですよ。」
「そうか。」
鈴木主任は、何を考えているの?
それとも子供扱いしているだけ?
「なんかさ、香ってリンみたいで、つい構いたくなるんだよな。」
「リン?」
「うちの実家で飼っているトイカッププードル。」
妹でさえなかった。
まさかのペットポジですか。
「あの…私は犬じゃないですよ。」
「そりゃ、わかってるよ。食い意地はってるとことか俺に構って欲しそうな顔とか似ているから、つい構いたくなるって意味で…」
私ってば、鈴木主任に気持ちバレてる?
「そりゃ餌付けされてますから、ねぇ。」
笑って誤魔化そうとおどけて返すと鈴木主任がさらに爆弾を落としてくる。
「陸と付き合い始めたんだから、俺が構わなくてもいいのにそれが面白くないんだ。何なんだろうな。盗られて悔しいとさえ思ってる。」
そんなことバックハグ状態で言わないでください…
主任には、婚約者がいるんですよね。
でも立ち聞きしただけで、直接聞いたわけじゃないから私はそれ以上、何も伝えられなかった。
それでもウミガメを見たくて、手すりにお腹を当てて寄りかかり覗き込んだ。
白のカットソーにレモンイエローのカーディガンに膝丈の紺のスカートという通勤着とあまり変わらない服装のため、吹いた風に身をすくめる私の背中が急に暖かくなり、鈴木主任に後ろから抱きすくめられていることに気付いた。
「しゅ、主任?」
「寒いだろ。」
いつもより甘い声にドキドキする。
「あ、あの…」
「ん?」
「せ、背中に…」
「暖かくないか?」
暖かいを通り越して、絶対顔も赤いだろうし、火照って熱い。
「あつ、熱いですよ。」
「そうか。」
鈴木主任は、何を考えているの?
それとも子供扱いしているだけ?
「なんかさ、香ってリンみたいで、つい構いたくなるんだよな。」
「リン?」
「うちの実家で飼っているトイカッププードル。」
妹でさえなかった。
まさかのペットポジですか。
「あの…私は犬じゃないですよ。」
「そりゃ、わかってるよ。食い意地はってるとことか俺に構って欲しそうな顔とか似ているから、つい構いたくなるって意味で…」
私ってば、鈴木主任に気持ちバレてる?
「そりゃ餌付けされてますから、ねぇ。」
笑って誤魔化そうとおどけて返すと鈴木主任がさらに爆弾を落としてくる。
「陸と付き合い始めたんだから、俺が構わなくてもいいのにそれが面白くないんだ。何なんだろうな。盗られて悔しいとさえ思ってる。」
そんなことバックハグ状態で言わないでください…
主任には、婚約者がいるんですよね。
でも立ち聞きしただけで、直接聞いたわけじゃないから私はそれ以上、何も伝えられなかった。