お嬢様は恋したい！
第７章
金曜日、高階商事近くのバルに私たちは、いる。

「私の大学時代の友人、島本つぐみと同じ黒川工業営業課の浅田さんと高橋さんでーす。」

島本さんのお友達、勝山さんのざっくりした紹介で合コンは始まった。

「はじめまして、高橋香です。よろしく…」

目の前に座る細身のスーツと銀縁メガネが、よく似合ういかにも仕事が出来そうな男性に向かってあくまでも初対面のフリをして挨拶する。

実際、仕事ができる事は知っているわよ。

性格は、結構捻くれているけど。

「《《はじめまして》》高階商事秘書課の川田秀介です。よろしく。《《香さん》》」

何で川田さんが合コンにいるのよ。

しかも目の前って、何？

「川田さんは、なぜここに。彼女いないんですか。」

「えぇ、社長秘書をしていると社長だけでなく、お嬢様の事までお世話する事がありましてねぇ。デートする暇もなかったんですヨォ。」

「それは、大変ですねぇ。おほほほほ。」

絶対、イヤミだよね。

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