お嬢様は恋したい!
二次会に行く皆さんを見送り、帰ろうとすると後ろからジャケットの襟を掴まれた。
振り向くと鈴木主任が立っている。
「あれ?二次会に行かないんですか。」
「明日は早くから用事があるからパスした。それより香に渡すものがあったのに、さっさと帰るなよ。」
「何も聞いてないですよ。」
「あ、言うの忘れてた。」
「なんですか、それ。」
「得意先でトラブルあって、バタバタしてたから…」
酔っているせいか、いつもより表情が子供っぽく見える。
まだ私の知らない主任があるのだと思うと、このままさよならするのが悲しくなってきた。
「んで、これ。」
渡されたのは細長いケース。
「えっ。」
「いままで香がいて楽しかったから。花束はうちの課からだけど、こっちは俺個人から。」
「開けても?」
頷く鈴木主任の前で包装紙をはずし、中を見ると小さなダイヤ?がついたハート型のトップのペンダント。
「着けてやるから、こっちに来い。」
後ろから抱くような体勢で、着けてもらうと酔って熱った身体が、さらに熱くなる。
「ありがとうございます…」
「ん?どうした。いつもより固いけど。」
何も言わず、さよならしようとしていたのに、さらっとこんなプレゼントして、しかも着けてくれるなんて…
私にどうしろって言うのよ。
涙が溢れて止まらない。
「か、香。どうした。」
「好き…」
「えっ。」
「私のこと、妹みたいにしか思えないかもしれないけど、私はあなたが好きなのっ。」
言わないで帰るつもりだったのに。
明日には会うことはないけれど、もう黙って帰るなんて無理だった。
そのままギュッと抱きしめられている事に気づいて、顔を上げると今まで見たことのない切なげな表情の鈴木主任と目が合い、唇に柔らかな感触がした。
鈴木主任には婚約者がいる。
頭の隅ではわかっていたけど、もう抑えられない。
「鈴木主任、最初で最後のお願い。私の初めてもらってください。」
「香、いいのか。」
「はい。お願いです。」
私たちは繁華街の裏通りに歩を進めたのだった。
振り向くと鈴木主任が立っている。
「あれ?二次会に行かないんですか。」
「明日は早くから用事があるからパスした。それより香に渡すものがあったのに、さっさと帰るなよ。」
「何も聞いてないですよ。」
「あ、言うの忘れてた。」
「なんですか、それ。」
「得意先でトラブルあって、バタバタしてたから…」
酔っているせいか、いつもより表情が子供っぽく見える。
まだ私の知らない主任があるのだと思うと、このままさよならするのが悲しくなってきた。
「んで、これ。」
渡されたのは細長いケース。
「えっ。」
「いままで香がいて楽しかったから。花束はうちの課からだけど、こっちは俺個人から。」
「開けても?」
頷く鈴木主任の前で包装紙をはずし、中を見ると小さなダイヤ?がついたハート型のトップのペンダント。
「着けてやるから、こっちに来い。」
後ろから抱くような体勢で、着けてもらうと酔って熱った身体が、さらに熱くなる。
「ありがとうございます…」
「ん?どうした。いつもより固いけど。」
何も言わず、さよならしようとしていたのに、さらっとこんなプレゼントして、しかも着けてくれるなんて…
私にどうしろって言うのよ。
涙が溢れて止まらない。
「か、香。どうした。」
「好き…」
「えっ。」
「私のこと、妹みたいにしか思えないかもしれないけど、私はあなたが好きなのっ。」
言わないで帰るつもりだったのに。
明日には会うことはないけれど、もう黙って帰るなんて無理だった。
そのままギュッと抱きしめられている事に気づいて、顔を上げると今まで見たことのない切なげな表情の鈴木主任と目が合い、唇に柔らかな感触がした。
鈴木主任には婚約者がいる。
頭の隅ではわかっていたけど、もう抑えられない。
「鈴木主任、最初で最後のお願い。私の初めてもらってください。」
「香、いいのか。」
「はい。お願いです。」
私たちは繁華街の裏通りに歩を進めたのだった。