お嬢様は恋したい!
毎日、時間割のように茶道、華道、箏曲からダンス、語学に料理と多岐に渡るレッスンに追い立てられているなかクリスマスが近づいた頃、体調を崩してしまった。

なんとなくだるくて、気がつくと寝落ちしている。

お稽古の先生方もお料理以外は前からやっていたので、問題ないから終了にしましょうと言ってもらえた。

これからは、続けたいものだけお願いすることにした。

「お嬢様、今日の料理ですが。」

「ごめんなさい。ちょっとだるいのでお休み…」

貧血なのか目の前が真っ暗になり、意識を失ってしまった。

「香子が倒れたと聞いたが、どこか悪いのか。」

お父様の声が廊下の方から聞こえた。

勢いよく入って来たお父様は、自分が死にそうな顔をしている。

「あなた、本田医師(せんせい)が診てくださってお話があるそうなの。」

お母様が、お父様に話しかけている。

< 38 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop