お嬢様は恋したい!
「高階さん。ランチ行かない?」

葉山さんに誘われて近くのそば屋に行ってみた。

「何にする?私は衣笠丼。」

「衣笠丼?」

「お揚げさんと九条ネギを卵でとじてあるの。美味しいわよ。」

「じゃあ、私もそれで。」

初めて食べる衣笠丼は京都らしく、観光じゃない京都に触れたような気がした。

「ところで高階さんの旦那様ってどんな人なの。」

「えっと普段は無愛想なんですけど、優しくて頼りになります。」

一誠さんを思い浮かべながら、そう答えると葉山さんは羨ましそうな顔をする。

「私も結婚したいんだけど、なかなか相手がいなくてね。」

「葉山さん、彼氏いないんですか。」

「何年か付き合ったひとはいたんだけど、振られちゃってね。やっぱり男って若い子がいいのかしらね。」

苦笑いを返すしかないが、サバサバしていて仲良くなれそうな人で良かったと思った。

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