お嬢様は恋したい!
第12章
暖かな5月の日差しが降り注ぐ控え室。
準備のためにいたスタッフが席を外し、1人で待っているとノック音がして、一誠さんが顔を出した。
「香子、支度は出来た?」
「うん。一誠さん、どうかな?」
「…」
「やだっ、どっかおかしい?」
「…きれいだ…」
そう言って少し視線をはずす一誠さんは耳の辺りが少し赤い。
つられてこちらも赤くなる。
「か、一誠さんもステキです。」
2人で見つめあっていると開いていたドアのあたりから声がした。
「ったく、二人だけの世界に浸ってんなよ。普通、プロポーズまでした男を振っておきながら別の男との結婚式に招待するか?」
「しゅ、秀介さん。」
「未練を持たせないように完膚なきまでに潰しておかないといけないだろう。」
一誠さんは秀介さんにそう言って余裕の笑み?を見せた。
「いちいち腹立つヤツだな。お嬢様、こんなヤツでいいんですか。」
「うん。秀介さん、ありがとう。」
「何がですか。」
「一誠さんとすんなり再会出来たのって秀介さんのおかげだよね。探すの大変だったんでしょ。」
「手間は取らされましたが、まぁお嬢様が幸せなら良かったです。こいつは一発…いや二、三発殴りたい気分ですが、新郎の顔を式前に汚すわけにはいかないから、我慢してやります。」
部屋を出て行こうとする秀介さんを呼び止めるとスツールから立ち上がって彼の目の前に立つ。
「秀介さん、本当にお世話になりました。あなたの気持ちに応えられなかったのに、一誠さんを探してくれてありがとう。私、ちゃんと幸せになるから。」
「あぁ。多少、拗れてそうだけどお嬢様の事は好きみたいだから大事にしてもらってください。」
「言われなくても大事にする。」
私の横に立った一誠さんは、真剣な顔で秀介さんに向き合う。
「それじゃ、式場で。」
秀介さんは、笑顔で部屋を出て行った。
準備のためにいたスタッフが席を外し、1人で待っているとノック音がして、一誠さんが顔を出した。
「香子、支度は出来た?」
「うん。一誠さん、どうかな?」
「…」
「やだっ、どっかおかしい?」
「…きれいだ…」
そう言って少し視線をはずす一誠さんは耳の辺りが少し赤い。
つられてこちらも赤くなる。
「か、一誠さんもステキです。」
2人で見つめあっていると開いていたドアのあたりから声がした。
「ったく、二人だけの世界に浸ってんなよ。普通、プロポーズまでした男を振っておきながら別の男との結婚式に招待するか?」
「しゅ、秀介さん。」
「未練を持たせないように完膚なきまでに潰しておかないといけないだろう。」
一誠さんは秀介さんにそう言って余裕の笑み?を見せた。
「いちいち腹立つヤツだな。お嬢様、こんなヤツでいいんですか。」
「うん。秀介さん、ありがとう。」
「何がですか。」
「一誠さんとすんなり再会出来たのって秀介さんのおかげだよね。探すの大変だったんでしょ。」
「手間は取らされましたが、まぁお嬢様が幸せなら良かったです。こいつは一発…いや二、三発殴りたい気分ですが、新郎の顔を式前に汚すわけにはいかないから、我慢してやります。」
部屋を出て行こうとする秀介さんを呼び止めるとスツールから立ち上がって彼の目の前に立つ。
「秀介さん、本当にお世話になりました。あなたの気持ちに応えられなかったのに、一誠さんを探してくれてありがとう。私、ちゃんと幸せになるから。」
「あぁ。多少、拗れてそうだけどお嬢様の事は好きみたいだから大事にしてもらってください。」
「言われなくても大事にする。」
私の横に立った一誠さんは、真剣な顔で秀介さんに向き合う。
「それじゃ、式場で。」
秀介さんは、笑顔で部屋を出て行った。