人生の相棒～運命の人は突然に現れる～

彼の声に気づいた店員がやってきた。

「彼女が」

彼は私を手で示した。

「はい、どうぞ」

そう声をかけてきた店員に、私はカシスオレンジと焼き鳥の盛り合わせと塩きゅうりを頼んだ。

店員が立ち去ると、
「すみません、ありがとうございました」

私は彼にお礼を言った。

「全然いいですよ」

彼は笑いながら返事をしてくれた。

それにしても、かっこいい人だなと私は思った。

マッシュショートの黒い髪はサラサラとしていて、とてもキレイだ。

眠たそうな一重の切れ長の目に大きな口と言うバランスがあわない感じがどこかおもしろい。

端正なその顔立ちに見とれていたら、
「ここ、いいところですね」

彼が声をかけてきた。