人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
またその話かと、私は心の中で呟いた。

「してないよ」

私は返事をした。

「お父さんとお母さんを亡くして独りぼっちだった私を引き取って育ててくれたことと大学まで行かせてくれたうえに好きなことをさせてくれたことに、本当に感謝してるの。

絹子さんの会社を手伝って、1日でも早く会社の即戦力になれるように頑張って、いつかは会社を継ぎたいって思ってる。

全部私の意思で決めたことだから後悔なんてしてないよ」

私は絹子さんを見返すと、そう言った。

自分が負担になっているんじゃないか、自分が迷惑になっているんじゃないかと、絹子さんは不安に思っているのだ。

私は彼女を負担になっていると思ったこともなければ迷惑だと思ったことも1度もない。

両親を亡くして独りぼっちだった私を会社を経営しながら育ててくれた彼女には感謝しかないし、尊敬をしている。
< 21 / 120 >

この作品をシェア

pagetop