人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
「えっ…ああ、はい、いいですよね。

お値段も安いですし」

返事をしている私は、不自然じゃなかっただろうか?

「初めてきたんですけれど、気に入りました。

料理も美味いし、お酒も種類が豊富で、久しぶりに当たりを見つけたなと」

「フフフ、そうですか」

「お姉さんはここにくるのは初めてなんですか?」

そう聞いてきた彼に、
「いえ、何回かきています」

私は答えた。

「常連さんなんだ」

そう返事をした彼に、
「常連…でしたね」

私は言い返した。

「えっ、何で過去形なんですか?」

訳がわからないと言うように聞き返してきた彼に、
「実は、ここへくるのは最後…と言うか、この街にいること自体がもう今日で最後なんです」

私は答えた。
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