人生の相棒～運命の人は突然に現れる～
３回戦は孝太が１人で歌うようだった。

曲はCreepy Nuts（クリーピーナッツ）の『かつて天才だった俺たちへ』だ。

ヒップホップのその曲を楽しそうに歌っているその姿に、湯豆腐を食べていることも忘れて釘付けになってしまった。

この調子で決勝戦へ進むかと思いきや、
「敗退か…」

私は呟いた。

何しろ、対戦相手は前回は準優勝だったと言うピン芸人である。

これは相手が悪かったなと思いながら、私は熱々の豆腐をポン酢につけて食べた。

「もうちょっと酸味が欲しいな…」

自分でもよくわからないけれど、最近躰が酸っぱいものばかりを求めている。

今日の昼ご飯は梅きゅうり巻きと三杯酢のもずく、飲み物はグレープフルーツジュースと言う酸っぱいものだらけの食事だった。

「疲れてるのかな、私…」

そう呟いて首を傾げると、白菜を口に入れた。
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