人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
「実はね…私のお腹の中に、赤ちゃんがいるの」

私は言った。

「信じられないと思うけれど、お腹の中の子供の父親は…孝太、あなたなの」

私がそう言った瞬間、孝太の目は大きく見開かれた。

「俺の子…?」

そう聞き返してきた孝太に私は首を縦に振ってうなずいた。

「向こうで過ごした最後の夜に…その時に、できたみたいなの。

ここにきてから恋人も作っていなければ、そう言うことをした相手もいなかったから…この子の父親は間違いなく、孝太だよ」

「ーーッ…!」

孝太は手の甲で涙をぬぐった。

「孝太?」

「何でそんな大切なことを教えてくれなかったんだよ…?

赤ちゃんができたこと…その子の父親は俺だってこと、何で教えてくれなかったんだよ…?」

孝太は泣きながら言った。
< 58 / 120 >

この作品をシェア

pagetop