人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
「姪はーー亜月は子供の頃に両親を交通事故で亡くして、私が育ててきました」

そう言った絹子さんに、
「それも聞きました。

会社を経営しながら彼女を1人で育ててきたことは、とても大変だったと思います。

あなたが会社と一緒に命をかけて守ってきた彼女をこれからは僕が守っていきたいと思っています。

僕の職業は芸人で、今は休みがないくらいに仕事があるからいいものの…これから先はどうなるか、わかりません。

もしかしたら、来年になったら消えてしまっている可能性も否めません。

ですが…僕はどんな時でも彼女と我が子を守って、精いっぱい幸せにしたいと思っています」

孝太は言い返すと、頭を下げた。

「お願いします!

僕とアツキさんの結婚を認めてください!」

その姿に倣うように、私は孝太の隣で絹子さんに向かって頭を下げた。
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