人生の相棒~運命の人は突然に現れる~
「指切りげんまん」

そう言いあった後で、お互いの小指を離した。

孝太は絹子さんの方に躰を向けると、
「昨日は突然の訪問だったにも関わらず温かく迎えてくれたうえに泊めてくださってありがとうございました」
と、深々と頭を下げた。

「順番は間違えてしまいましたが、亜月さんとは正式に夫婦になりたいと思っています。

生まれてくる子供の父親になる覚悟もすでにできています」

「それで充分よ、またいつでも遊びにきなさい」

そう言った絹子さんに、
「はい」

孝太は返事をした。

「それじゃあ…」

孝太はドアに手をかけた。

「またね」

私が手を振ると、孝太は手を振り返して家の外へと出たのだった。

ーーバタン…

閉まったそのドアの音がいつもよりも大きかったのは、私の気のせいだと思いたかった。
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