手錠、そしてキスの雨を２

神様がいるなら聞きたい。何故、仕事だけをして生きていこうと思っていた私、磯山三恋都（いそやまみこと）が世間一般で言うイケメン（しかも警察官！！）に誘拐され、手錠で拘束された生活が待っているのかを。こういうのは、出会いを求めている女の子にしてあげなさいよ！

「はあ……」

あの合コンから数週間、私はため息をつきながらパソコンのキーボードに触れる。その様子を見て、友達の未来（みく）がニヤニヤした。

「三恋都、どうしたの〜？もしかして好きな人でもできた〜？」

「そんなわけないでしょ！男なんて大嫌いなんだから！」

イライラしながら言ってしまう。またキーボードを乱暴に叩いちゃった。これ、いつか壊れないか心配になってきた……。

「ええ〜？でも、最近定時きっちりに帰るようになったし、何か髪とかツヤツヤだから気になる人でもできたのかなって……」

未来がそう言うと、嫌でもあの男の顔が浮かんでくる。私の人生が百八十度変わることになったきっかけを作った憎き男、伏黒陣平（ふしぐろじんぺい）が！