手錠、そしてキスの雨を2
なら、誘拐されたはずの私が何故会社に普通に出社して仕事ができているかと言うと、私が伏黒さんに提案をしたから。

内容は、伏黒さんと一緒に暮らすから仕事には行かせてほしいというもの。彼は私をずっと閉じ込めておく気満々だったけど、仕事という生きがいを取られるのは死ぬより辛い。そう言ったら、残業をしないこととか色々伏黒さんが条件を出して仕事に行くことを許してくれた。心の中では納得していないが。

でも逆らうと、寝室へ無理やり連れて行かれてあっという間に食べられる未来しかないので従うしかない。現に何度もこの体は伏黒さんに食べられている。

「ハア……」

赤信号になり、車が速度を落として止まる。その時にため息をついてみれば、「おい」と声をかけられて振り向けば強引にキスをされた。

「ッ!」

軽く触れ合う優しいキスじゃなくて、いきなり舌を絡められた濃厚なもの。信号変わったらどうするのよ、そう言いたいけど唇が塞がれていてできない。
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