仮面夫婦の子作り事情~一途な御曹司は溢れる激愛を隠さない~
「時差一時間だし、毎日電話していい?」
「やだ。面倒くさい。風雅は忙しいんだから、そんな暇があったら寝なさい」
「じゃあ、朝は?」
「バタバタしたくないから嫌」
意地悪で言っているわけじゃない。離れているときまで私に時間を割かなくていいと言っているのだ。
「じゃあ、たまにスマホにメッセージ送る。希帆はそのくらいがいいんでしょ?」
「うん、べたべたされるの苦手」
「俺はべたべたしたいのに。あ、しばらく遠距離だし、今夜は子作り解禁する?」
「禁止に決まってるでしょ」
すげなく返していると、風雅のスマホがローテーブルの上で振動を始めた。
風雅が素早く身体を起こし、通話に出る。
「うん、連絡ありがとう」
リビングから寝室へ移動しながら話す相手はまたしても部下だろう。先ほどのトラブルの続報だろうか。榮西グループの実質のトップはすでに風雅だ。
風雅はますます忙しくなり、背負う責任も増していく。
私は風雅を完全に受け入れられていない。妻として身体を許していないし、心もまだ友達に毛が生えた程度の距離でしかない。
こんな私でいいのだろうか。風雅が望むからといって、私が風雅の隣にいていいのだろうか。
それとも、離れている間に、お互いの心情に何か変化があるだろうか。
「やだ。面倒くさい。風雅は忙しいんだから、そんな暇があったら寝なさい」
「じゃあ、朝は?」
「バタバタしたくないから嫌」
意地悪で言っているわけじゃない。離れているときまで私に時間を割かなくていいと言っているのだ。
「じゃあ、たまにスマホにメッセージ送る。希帆はそのくらいがいいんでしょ?」
「うん、べたべたされるの苦手」
「俺はべたべたしたいのに。あ、しばらく遠距離だし、今夜は子作り解禁する?」
「禁止に決まってるでしょ」
すげなく返していると、風雅のスマホがローテーブルの上で振動を始めた。
風雅が素早く身体を起こし、通話に出る。
「うん、連絡ありがとう」
リビングから寝室へ移動しながら話す相手はまたしても部下だろう。先ほどのトラブルの続報だろうか。榮西グループの実質のトップはすでに風雅だ。
風雅はますます忙しくなり、背負う責任も増していく。
私は風雅を完全に受け入れられていない。妻として身体を許していないし、心もまだ友達に毛が生えた程度の距離でしかない。
こんな私でいいのだろうか。風雅が望むからといって、私が風雅の隣にいていいのだろうか。
それとも、離れている間に、お互いの心情に何か変化があるだろうか。