クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
そこへコーヒー淹れた芽衣子がやってきた。
三人で頭を突き合わせて扇子を囲んでいる様子を不思議そうに見つめる。
「わぁ、素敵な扇子ですね。すごい、桔梗屋の特注品ですね」
俺達は一斉に彼女の顔を振り仰いだ。
「すごい! ぱっと見ただけなのに、どうして判ったの!?」
驚く亮子に芽衣子は無邪気に首をかしげて、
「それほどの上質竹を使って親骨に蒔絵を施すのは桔梗屋さんの得意とするところですから。あと、要に桔梗屋さんの印が彫られていますよね。特注品にはそうするんです。老舗としての自信があっての仕様ですね」
さらりと説明する芽衣子に高田も亮子も閉口しきっている。
「新規事業に賛同していただくことになった華道の家元さんから贈られてきたんだよ。美しいだろう」
と、俺は芽衣子に扇子を見せる。
菖蒲の蒔絵がよく見えるように。
「本当ですね」と芽衣子は目を細めた。
彼女はこの菖蒲に隠された家元の意図を気付くだろうか。
三人で頭を突き合わせて扇子を囲んでいる様子を不思議そうに見つめる。
「わぁ、素敵な扇子ですね。すごい、桔梗屋の特注品ですね」
俺達は一斉に彼女の顔を振り仰いだ。
「すごい! ぱっと見ただけなのに、どうして判ったの!?」
驚く亮子に芽衣子は無邪気に首をかしげて、
「それほどの上質竹を使って親骨に蒔絵を施すのは桔梗屋さんの得意とするところですから。あと、要に桔梗屋さんの印が彫られていますよね。特注品にはそうするんです。老舗としての自信があっての仕様ですね」
さらりと説明する芽衣子に高田も亮子も閉口しきっている。
「新規事業に賛同していただくことになった華道の家元さんから贈られてきたんだよ。美しいだろう」
と、俺は芽衣子に扇子を見せる。
菖蒲の蒔絵がよく見えるように。
「本当ですね」と芽衣子は目を細めた。
彼女はこの菖蒲に隠された家元の意図を気付くだろうか。