クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
「食事にでも?」
「…ええ」
「お友達と先約があったのか。そうだね、僕の方が唐突だったね。申し訳ないことをした。ではせめて、送っていくよ」
「いえ、友達を…待たせていますので」
「お友達を?」

しまった、と思った。

「では、お友達にご挨拶させてもらえないかな? 芽衣子さんのお友達なら、僕もこれから懇意にさせていただくと思うので」

やはりそう来られてしまった。

どうしよう…。
亮子さんなら、うまくかわしてくれるだろうか…。

と困惑する私だったけれど…

何故、困らなければならないのだろう。

私は雅己さんを選んだのに。

ひとつの決意が、脳内に冴え渡った。
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