クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~



亮子さんには救われた。
感謝してもしきれない。

私は包み隠さず北村のことを話したけれど、察しのいい亮子さんはおおよそのことは勘付いていたみたいだった。

専務にはこのことを黙っておくと約束してくれて、そして『あんなやつは結婚はおろか、近付くのも絶対だめよ。お父様に必ず告げるべき』と怒りを滲ませた声で言った。

途中、亮子さんの家に寄って、亮子さんが持っている服の中で一番地味だというワンピースを借りると、急いでオフィスに戻った。

一時間と約束していたけれど、だいぶ過ぎてしまった。

専務はどうしているだろう…。

不安に思いながら専務室に駆け戻った私だったけれど、拍子抜けしてほっとなった。
専務はソファに横になって眠っていた。
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