クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む～運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です～

「もしこれが夢で…本当に目覚めた時には君が消えていたら、俺は落ち込むだけじゃすまないな」
「…夢なんかじゃないわ」
「ん…。なら、もう一度よく確かめさせて…」

熱い腕に包まれて、もう一度キスされる。

昨晩、あんなに激しく、思う存分に―――まだまだ初心な私にあんなことをしたり、あんなことを言わせたり…思い出すのも恥ずかしいことをして―――私を抱いたというのに、まだ信じられないなんて。

きっと。
初めて夜の翌朝、私がいなくなっていて雅己さんはものすごくショックを受けたのだろう。
悲しかったのだろう。

それだけ、私を愛してしまっていたから―――。

私は雅己さんの手を自分の頬に寄せた。

私はここにいます。よく、確かめてください。

そう思ってじっと見つめる。
愛を込めた眼差しを捧げる。

私は、もう絶対に、あなたのそばから離れません。