クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
「ど…どうしましょう専務、寝坊ですぅう…!」
思わず秘書モードになって焦る私。
未だに鳴り続けているスマホは、きっとリビングに放置していた社用スマホだ。
雅己さんは小さく舌打ちを打つと、床に放置していたガウンをまとってリビングに向かった。
間もなくしてバイブ音が消えたかと思うと、隣の部屋のこちらへも届くほどの大声―――間違いなく怒りまくった高田さんの―――がスマホから聞こえてきたが、
「悪い、俺、今日病欠。あと芽衣子も病欠。よろしくっ」
早口で言い切って、さっさと通話を切ってしまった。
「せ…雅己さん、病欠って…!」
「よし、今日の予定は全部キャンセルだ」
朝日に映える満面の笑顔で、雅己さんは言った。
キャンセル、って…!
確かに、幸いなことに今日のアポイントはさほど重要なものは入っていなかったけれど、過密スケジュールに差し障りが出てしまうのは必至だ。
けれども雅己さんは、
「未来の妻との記念すべき交際一日目より重要な予定なんて、あるはずないだろ」
と、悠然と笑う。
思わず秘書モードになって焦る私。
未だに鳴り続けているスマホは、きっとリビングに放置していた社用スマホだ。
雅己さんは小さく舌打ちを打つと、床に放置していたガウンをまとってリビングに向かった。
間もなくしてバイブ音が消えたかと思うと、隣の部屋のこちらへも届くほどの大声―――間違いなく怒りまくった高田さんの―――がスマホから聞こえてきたが、
「悪い、俺、今日病欠。あと芽衣子も病欠。よろしくっ」
早口で言い切って、さっさと通話を切ってしまった。
「せ…雅己さん、病欠って…!」
「よし、今日の予定は全部キャンセルだ」
朝日に映える満面の笑顔で、雅己さんは言った。
キャンセル、って…!
確かに、幸いなことに今日のアポイントはさほど重要なものは入っていなかったけれど、過密スケジュールに差し障りが出てしまうのは必至だ。
けれども雅己さんは、
「未来の妻との記念すべき交際一日目より重要な予定なんて、あるはずないだろ」
と、悠然と笑う。