クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
「今ホールに来ているの。あなたに会いたいって!」
「…」
「あなたを正社員として雇って、本社勤務にしたいって…!」

蒼白となる私に気付かず、店長は嬉々として続けた。

「専務直属秘書ですって! 大抜擢よ! 芽衣子さん!」

目の前が真っ暗になった。

『君を絶対に離さない』

彼は宣言の通り行動を始めたようだ。

「だめです…」
「そうよねぇ! このチャンスを逃すわけには」
「できません…専属秘書なんて!」
「え?」

店長は私を凝視した。
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