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黒坂くんはとても真剣な表情をしていて、頬を真っ赤に染めている。


目の中にはうっすらと涙の膜まで浮かんできているようで、私は唖然としてしまった。


これが冗談の告白だとは思えなかった。


こんな、今にも涙がこぼれてしまいそうな告白、本物に違いない。


「転校してきてすぐの俺にこういうこと言われても信用できないかもしれないけど、でも、本気なんだ。俺、たぶん井村さんに一目惚れしたんだ」


一気に言われて頭が追いつかなくなった。


でもひとつだけ確かに伝わってきた気持ちがある。


黒坂くんは私のことが好きということだ。


私は震える唇を開いて「嬉しい」と、伝えた。


黒坂くんはカッコイイと思う。


でも、まだ好きかどうかはわからない。


それでも私はそう返事をしたし、きっと別の女子だとしても同じように言ったと思う。


「こんな私でよければ付き合ってください」


そして、人生始めての彼氏ができたのだった。
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