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声をかけた瞬間多美子はビクリと体を震わせて、持っていた教科書を慌てて机の中にしまい込んだ。
「お、おはよう」
多美子の声が震えている。
そんなに驚かせてしまったかな? と、疑問に感じつつも机に隠された教科書のことが気になった。
「顔色が悪いけど、どうかしたの?」
私は多美子の顔を覗き込んで聞いた。
が、多美子は青い顔をしたまま左右に首を振る。
「なにを隠したの? 見せてよ」
机の中に手を突っ込んで少し強引に教科書を引っ張り出す。
途端に多美子が手を伸ばしてきて「やめてよ!」と叫んだ。
そんな大きな声を上げた多美子は初めてで、一瞬たじろいでしまった。
でも、確認しないわけにはいかない。
私は「ごめんね」と一言多美子に謝ってから背を向け、教科書を確認した。
それは漢文の教科書だった。
裏には多美子の名前がマジックで書かれていて、なんの変哲もない。
「お、おはよう」
多美子の声が震えている。
そんなに驚かせてしまったかな? と、疑問に感じつつも机に隠された教科書のことが気になった。
「顔色が悪いけど、どうかしたの?」
私は多美子の顔を覗き込んで聞いた。
が、多美子は青い顔をしたまま左右に首を振る。
「なにを隠したの? 見せてよ」
机の中に手を突っ込んで少し強引に教科書を引っ張り出す。
途端に多美子が手を伸ばしてきて「やめてよ!」と叫んだ。
そんな大きな声を上げた多美子は初めてで、一瞬たじろいでしまった。
でも、確認しないわけにはいかない。
私は「ごめんね」と一言多美子に謝ってから背を向け、教科書を確認した。
それは漢文の教科書だった。
裏には多美子の名前がマジックで書かれていて、なんの変哲もない。