追体験アプリ
見つからない
昼休憩になるのを待って、私は多美子と一緒に中庭へ出てきていた。
今日はあまり天気がよくないからここで食べている生徒の姿はない。
吹き抜けの中庭から空を見上げてみると今にも雨が降り出してしまいそうだった。
はやくしなきゃいけない。
「多美子、これを見て」
私は自分のスマホを多美子に差し出した。
画面には追体験アプリを表示させている。
旭と付き合いはじめてから使わなくなってしまったが、消さずに置いておいたのだ。
「追体験アプリ?」
多美子は首をかしげた状態でアプリを説明を読み始めた。
「自分が経験したことを、相手に経験させることができるの?」
「そうだよ」
私は大きく頷いた。
けれど多美子は信じていないようで、疑わしげな表情を私へ向ける。
「私も最初は信じてなかった、だけどこれは本物なんだよ?」
「冗談でしょう?」
「本当なんだって。覚えてる? 私のお弁当にチョークの粉を入れられたときのこと」
そう聞くと多美子は自分のことのようにつらそうな表情を浮かべて頷いた。
今日はあまり天気がよくないからここで食べている生徒の姿はない。
吹き抜けの中庭から空を見上げてみると今にも雨が降り出してしまいそうだった。
はやくしなきゃいけない。
「多美子、これを見て」
私は自分のスマホを多美子に差し出した。
画面には追体験アプリを表示させている。
旭と付き合いはじめてから使わなくなってしまったが、消さずに置いておいたのだ。
「追体験アプリ?」
多美子は首をかしげた状態でアプリを説明を読み始めた。
「自分が経験したことを、相手に経験させることができるの?」
「そうだよ」
私は大きく頷いた。
けれど多美子は信じていないようで、疑わしげな表情を私へ向ける。
「私も最初は信じてなかった、だけどこれは本物なんだよ?」
「冗談でしょう?」
「本当なんだって。覚えてる? 私のお弁当にチョークの粉を入れられたときのこと」
そう聞くと多美子は自分のことのようにつらそうな表情を浮かべて頷いた。