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☆☆☆

クラスメートたちと4人で昇降口まで来たとき、多美子からのメッセージが届いた。


4人に先に行ってもらうように伝えてメッセージを確認する。


《多美子:助けて!》


たったそれだけの文章ですべてが理解できた。


放課後の真純の不機嫌さを考えれば多美子が八つ当たりされるのだってわかったはずだ。


それなのに私は他の友人に誘われてそのまま帰ろうとしてしまった。


脳裏に浮かんできたのは体育館裏だ。


何度もあの3人に呼び出された私の大嫌いな場所。


私は弾かれたように走り出していたのだった。
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